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コラム

2020.07 京はやましろ、川の町…魔王と天狗が跳梁する修験場 鞍馬山 下れば別天地 貴船の川床

天狗 巨大な隕石でも落ちてきたのだろうか?650万年前に金星から来た神でも仏でもない護法魔王尊の宇宙パワーが、鞍馬山にはみなぎっていると言い伝えられている。
 左京区の出町柳から電車で30分、終点の鞍馬の駅前には天狗のお面の巨大な鼻、そこから3分も歩けば、鞍馬寺の石段と仁王門がある。そこが鞍馬寺であり鞍馬山、山域全てが鞍馬寺の境内なのである。
 アラカンこと嵐覚寿郎と美空ひばりの角兵衛獅子が活躍するチャンバラ映画『鞍馬天狗』の鼻は人並みで、頭巾を取った天狗は美男子だった。奈良時代、胡からさらに西の国のペルシャ等との交易が無かった訳ではない。アラビア人の彫りの深い高い鼻の赤ら顔が、魔王になったり天狗になったりしたのだろうか・・・魔王尊と天狗伝説が繋がっているようで繋がらないもどかしさを感じながら、かなりの急勾配をその足跡を探して山頂へ向かう。

 奈良時代から山岳宗教の霊場として栄え、平安時代になると近場の深山幽谷として貴族や女流文学者の気晴らしの地として親しまれてきた。紫式部が描いた源氏物語で、光源氏が若紫を見染めた北山と言うのはこの地のこととか。清少納言の枕草子や菅原孝標娘の更科日記にも、風光明媚な静かな憩いの地として描かれているが、優雅な時代は長くは続かない。平安末期には様相が一変する。乱れた末法の世に軍神毘沙門天が立上ったのか、比叡山に勝るとも劣らない軍事力を持った僧兵が備えを固めていた。鞍馬山牛若丸、後の義経が鼻高天狗や烏天狗に鍛えられたのはこの頃で、その後も戦国武将の毘沙門天詣出が続く。心優しい千手観音菩薩を祀つる桜とモミジの名所として人気を呼ぶようになったのは、世の中が落着いた江戸時代になってからのことである。

 本殿前のパワースポットでエネルギーをもらって、奥の院の参道に踏み込むと、与謝野晶子の書斎があったり牛若丸の修行の場があったり、木の根道や僧正ガ谷を難儀しながら登り降りする。と、木立の間から一瞬天狗が顔を覗かせたり、魔王が立ちはだかっているのでは?との思いにおそわれつつ、息も絶え絶え貴船にたどり着く。
 そこは、まさしく下界の別天地。貴船川の清流に誘われて川面に足首を浸せば、山道行脚の疲れも鎮まり、冷えたビールに流し素麺とくれば魔王も天狗も何処へやら、初夏の川風がこの世の極楽へと誘ってくれる。(M)

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