コラム

2012年7月 京の水-鴨川の宵

 高野川と合流する出町柳から上流を『賀茂川』という『鴨川』は、京都市の東部を北から南へと流れる。

 平安京以前、上賀茂神社・下賀茂神社の祖霊の鴨一族のエリアだったからとも、鴨が多く飛来するからとも言われるが、かつては暴れ川として度々京都の町を侵していたようだ。
 しかし今は、各所に落差工という堰堤が設けられて、すっかりエレガントな川になり、人々に親しまれている。散歩やジョギング、デートスポットであるばかりでなく、文化、観光、娯楽、仕事等、およそ京都的なるものの最大の源である。

 特に夏の夕べ、夕日の残照に東山・北山が川面の水蒸気にけぶって薄紫から徐々に闇に染まっていくさまは、頼山陽のいう”山紫水明” をそのまま実感できるひと時である。
 この時間帯、傍流のみそそぎ川に設けられた川床で京料理やリーズナブルなエスニック料理を楽しむのも京都ならではの夏の宵である。が、等間隔に堤防に座ったカップルが、二人の世界に浸っていられるのも、やはり鴨川の精霊の粋な計らいなのだろうか…。(M)

 (鴨川の三条大橋へは京都本社より東へ徒歩10分です)

【2012年07月01日】

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