コラムCOLUMN

2013/02/01

2013年2月 京の水-紙屋川とお土居

 紙屋川、かつては貴重な和紙を生産する製紙院が設けられていたことからこの名がついたようだが、今は北野天神に由来する天神川の方が馴染まれている。

 この紙屋川の自然地形を生かして築かれていたのが秀吉の築いたお土居で、当時は洛中をぐるっと囲んでいた。が、今は都市化の波に呑まれて殆ど消滅し、当時の姿のまま残存している貴重な遺跡の一つがこの紙屋川沿いの北野天満宮のエリア。

 唐の都長安(西安)の煉瓦造りの巨大な城壁には比べようもないささやかな都の防壁…万事派手好みの秀吉も、さすがに京の風情に慮ったのだろうか?

 北野天神は道真公ゆかりの梅の名所。境内から紙屋川まで千数百本の梅が2月いっぱい香りほのかに咲き誇る。25日のご縁日は、沿道いっぱいの露店と参拝客で賑わう。汗ばんだ肌に、お土居の梅の香りと紙屋川のせせらぎが心地よい。(M-写真はOUE)

(北野天満宮は、京都本社より北西へ車で10分の距離に位置しています)

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