コラムCOLUMN

2010/05/01

2010年5月 京の花-七本松通りの藤

2010 May 初夏の眩しい陽光に、藤の花が映える。宇治の平等院や城南宮の藤棚は特に有名だが、町家の軒先に初夏の風に薄紫の花房が揺れているのも楽しい。ビルが立ち並ぶ大通りの内側の小路や路地で、鉢植えや小花壇に咲く藤の花が古い町並みに華やぎを添えている。

 『藤の花は しなひ長く 色濃く咲きたる いとめでたし』(枕草子)と親しまれてきた藤は、花を楽しむだけでなく、京都盆地の夏の暑さを緑の若葉がやわらげて町家に涼しさをもたらし、藤壺や籠等の工芸品としても愛用されてきた。

 お皿にそっと藤の花が添えられていたりすると、一層料理が引き立つ。

(写真は七本松通りで…M)

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