コラム

2015.11 姉さん六角 京の道…紅葉と黄葉そして緑の北山杉『周山街道』

周山街道 京都の北部、丹波地方から福井に到る国道162号線は、通称周山街道と言われる。周山は山ではない。丹波攻略中の明智光秀が、京北町(現右京区)の小高い丘に築いた城を中国の故事に倣って周山城と命名し、地名にもしたことによる。ここを走る周山街道は、豊かな自然と歴史遺産に恵まれた丹波高原を縦断するが、カーブと直線、上り坂と下り坂の入り混じったワインディングなツーリングロードでもある。

 右京区の福王寺の交差点を北上して御経坂峠を越えると清滝川に沿ってこじんまりとした集落がある。高雄(尾)、槇尾そして栂ノ尾のいわゆる三尾で、京の奥座敷というか、最後尾にふさわしい隠れ里であり、周山街道の玄関口である。街道沿いには神護寺、西明寺、そして高山寺等いずれも平安時代から続く名刹が点在する。京都の中心から適度な距離があったので保たれてきた鳥獣戯画人物図等の歴史文化物の宝庫でもある。渓谷沿いの集落と相まって墨絵のようだが、それが一層紅葉の華やかさを際立たせる。

周山街道 さらに北上すると、北区の清滝川と岩戸川の合流地点に到る。ここには岩戸落葉神社という珍しい名前の神社がある。源氏物語のモデルとして登場する落葉の宮を祭神としていた落葉社に、江戸時代に岩戸社が同居することになった。岩戸社の祭神も姫神で悶着無し。狭い境内には樹齢不明の4本もの銀杏の巨木があり、秋には黄金色に輝いて苔むした社を包み込む。たった一夜だが、11月中旬(今年は14日の土曜日)氏子さん達によってライトアップされ、その時だけは夜もまばゆい。一夜限りというのも、山里ならではのひっそり感。

 辺り一帯の北山杉の美林を眺めながら、幾つかのトンネルと峠を越え美山町を通り過ぎると、福井県の名田庄のなだらかな下り坂に入り、やがて海が見え小浜に行きつく。全行程約1時間半。但し交通取締りに捕まらなければ…である。(M)

【2015年10月30日】

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