コラムcolumn

2024年09月24日

「習志野家(市)の家計簿をチェック!」座談会について

 毎年作成される市の決算書や新公会計制度により作成した財務書類を、どれくらいの市民の方が目にし、興味を持っているでしょうか?
 正直なところ、あまり興味を持っていただけないのが実情です。
 習志野市は、財務情報の開示ということに関しては全国的にも先進的に取り組んできました。その取り組みの一つを紹介します。市内在住のファイナンシャルプランナーが資産や負債を盛り込んだ市の家計簿を作成し、過去の状況や他市の状況などから家計簿をチェックする企画です。
 座談会では、管理会計の専門家から助言をいただきながら、公募市民の視点から意見をいただき、習志野市のライフデザイン・ライフプランについて話し合い、この内容を財務報告書に掲載するというものです。
 私の発案であるこの座談会について、市長から「素晴らしい取り組みであるから、この座談会を多くの市民が傍聴できるようにしなさい」との指示があり、習志野市の定例記者会見で公表することになりました。記者会見で市長から「座談会は傍聴できますので皆様のお越しをお待ちしております。日本初の取組みとして、私も大いに期待してます。」と紹介されました。私としては、クローズな座談会を予定していたところ、オープンな座談会とうことになり、かなりのプレッシャーを感じました。
 座談会に参加した5人の公募の市民の方の感想を紹介したいと思います。

 Aさんは「将来まっくら!自己破産するしかない末恐ろしい気がしました。」
 Bさんは「未来のキャッシュフロー表から非常に困ったことになると感じました。」
 Cさんは「将来が見通せないなと感じました」
 Dさんは「市民のコンセンサスの場が必要なんではないのかと感じました。」
 Eさんは「問題点の洗い出しには、現状を把握する必要があると感じました」

 座談会に23名の方が傍聴され、アンケートの結果から「よかった」との評価をいただきました。主な意見として「この様な企画は、市民が市政に関心をもつ非常に良い機会だと思います。普段市政にあまり興味・関心がない人々も市政に関心を持つことによって住民参加が進み、より良いまちづくりにつながっていくと思いました。」
 公募や傍聴された市民一人一人が習志野家の一員であり、市に「どうするのか」と疑問を持った次には、家族の一員として「どうしよう」「どうすればよいのか」思考することが重要です。今回の取組みを通じて参加者の意識が変化していくのを感じました。
 住民の合意形成はこういった地道な活動から生みださせるのかもしれません。その環境づくりを提供するのは行政の役割です。

システムディ顧問 宮澤 正泰(元習志野市会計管理者)